F6シリーズの概要

F6シリーズは誰でも簡単に対象物の3Dデータを取得できるハンドヘルド型の3Dスキャナです。取得データは対象物の形状を基にリアルタイムで合成処理が行われるため、スキャン中に取得データを確認することが可能です。また、事前に特殊なマーカーの設置やキャリブレーションを行う必要が無いため、現場ですぐにスキャンを開始することが可能です。

設備計測
エンジンルーム計測

F6シリーズの計測原理

F6シリーズは赤外線光源で特殊な図形パターンを照射し、赤外線カメラでパターンを捉えるアクティブステレオ法を用いてスキャンを行います。この特殊な図形パターンを使うことで、従来手法より多くの点群を取得でき、高速+ロングレンジスキャンを可能とします。

F6シリーズの特徴

スキャナ本体の特徴

F6シリーズは計測レンジや精度が異なる2つのタイプがあります。最大4m先のデータが取得可能な『F6SMART』、高精度で再現性の高いデータが取得可能な『F6SR』から選ぶことが可能です。

F6SMART(ロングレンジタイプ)

F6SMARTは0.5m~4m先の3Dデータを取得し、最大の視野範囲が4.5m×5mと非常に広いため、広範囲の3Dデータを短時間で取得することが可能です。5m規模の設備や機器であれば、1分程度でデータの取得が可能です。

F6SR(ショートレンジタイプ)

F6SRは0.2m~0.7m先の3DデータをF6SMARTよりも高精度かつ高密度で取得することが可能です。同様の他社3Dスキャナに比べ、視野範囲が広いため、乗用車のエンジンルーム程度の大きさであれば、30秒程度でデータの取得が可能です。

 

F6シリーズ専用ソフトウェア『ECHO』の特徴

F6シリーズのスキャン制御やデータ処理は専用のソフトウェア『ECHO』で行います。『ECHO』は難しい操作や専門的な知識が必要ないため、誰でも簡単に扱うことが可能です。

ノイズや形状を自動認識

F6シリーズ専用ソフトウェア『ECHO』では、スキャンの制御はもちろん、データ合成、ノイズ処理、メッシュ作成などを簡単に行うことができます。

多彩なデータ出力形式

F6SMART/SR専用ソフトウェア『ECHO』は様々なデータ出力形式に対応しており、点群やテクスチャ付きのメッシュデータなどで出力することが可能です。

点群データ
メッシュデータ
テクスチャ付きメッシュデータ

F6シリーズの計測フロー

STEP1 スキャンルートの確認

事前に移動可能範囲や対象物の形状を確認します。

特殊なマーカーやシールは不要

F6シリーズはデータ取得範囲内の特徴的な形状を用い、合成処理が行われます。F6SMARTで右図のような機器をスキャンする場合、機器自体に特徴的な形状が多いため、特殊なマーカーを設置しなくても正しく合成処理が行われます。

STEP2 スキャン準備/実施

スキャナ本体をタブレットPCに有線で接続し、スキャナを動かす又は対象物を動かしながら点群データを取得します。

ハンドキャリー可能

スキャナ本体、計測用のタブレットPCやケーブルなど、計測に必要な物は専用のハードケースに全て収納できるため、簡単に持ち運ぶことが可能です。

スピーディーなデータ取得

F6シリーズのデータ取得スピードは8FPSのため、通常歩くスピードで移動しながらデータを取得できます。F6SMARTで2m×4m×2.5mの大型機器を計測する場合、1分~2分程度でデータ取得が完了します。

 

リアルタイムデータ合成

F6シリーズはスキャンと同時に合成処理が行われており、スキャンを行いながら、取得データの形状を確認することが可能です。

STEP3 データ処理

付属ソフトウェア『ECHO』でデータ合成やノイズ処理を行います。

高精度合成機能

取得データは複数のデータから形成されているため、微妙な厚みを持ちます。高精度合成機能はデータ取得時の合成処理よりも高度なアルゴリズムで合成処理を実施するため、本来の形状に近づきます。

ノイズ処理

取得した点群データは浮遊点などを含んでいるため、ノイズを削除する必要があります。ECHOはノイズ処理を実行すると、ソフト内でノイズとなる点群を自動計算し、削除します。

STEP4 データ出力

点群形式やテクスチャ付メッシュデータなど、色々なデータ形式で出力可能です。

ECHOから出力可能な形式

ソフトウェアのインポート形式に合わせて出力可能です。

出力形式 点群出力 メッシュ出力
MVX※1
PLY
○※2
OBJ
○※2
E57
×
PTS
×
XYZ
×
STL
×
LAZ
×
  • ※1:F6専用のデータ形式
  • ※2:テクスチャ付メッシュデータ出力へ対応

事例

プラントにおける改修工事の工期を短縮

現地調査で取得した3Dデータを用い、新規配管のルート検討や干渉シミュレーションを行うことで、改修工事計画の立案から完工までの作業を短縮し、業務の効率化を実現します。

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プラントの効率的な点群取得

ハンドヘルド型3Dスキャナは移動しながら点群を取得できるため、地上型レーザースキャナと組み合わせて使用することで、狭隘部や設備裏側等の点群を効率的に取得できます。

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山岳トンネル工事の安全性向上

3Dスキャナは離れた場所から切羽の表面形状を短時間で取得できるため、従来のスケッチ作業や目視確認が減り、現場作業時間の短縮と安全性の向上につながります。

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日本科学未来館
ドームシアターの3DCAD作成

2021年に日本科学未来館のドームシアターの換気状況や飛沫の拡散について、スーパーコンピュータ「富岳」を用いたシミュレーションが行われました。

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製品仕様

精度 1~2mm@スキャン距離1m※
点群のカラー化/テクスチャ貼付 可能
レーザの安全クラス クラス1
環境光による影響 室内~屋外(直射日光外)で計測可
計測可能距離 0.5 ~ 4.0m
最短距離での視野範囲(縦×横) 670mm × 510mm
最長距離での視野範囲(縦×横) 5000mm × 4585mm
視野角度(縦×横) 54° × 68°
フレームレート 最大8fps
レーザ照射時間 5ms – 40ms
点群取得速度 最大64万点 /s
寸法(H x D x W) 320mm × 120mm × 45mm
重量 1.2kg
動作温度 0℃ ~ 50℃(ただし、結露しないこと)
       
※1フレームにおける精度
精度 0.5mm@スキャン距離0.3m※
点群のカラー化/テクスチャ貼付 可能
レーザの安全クラス クラス1
環境光による影響 室内~屋外(直射日光外)で計測可
計測可能距離 0.2 ~ 0.7m
最短距離での視野範囲(縦×横) 343mm × 246mm
最長距離での視野範囲(縦×横) 1030mm × 740mm
視野角度(縦×横) 54° × 68°
フレームレート 最大8fps
レーザ照射時間 5ms – 40ms
点群取得速度 最大64万点 /s
寸法(H x D x W) 320mm × 120mm × 45mm
重量 1.2kg
動作温度 0℃ ~ 50℃(ただし、結露しないこと)
       
※1フレームにおける精度
CPU Intel Core i7 以上(4コア推奨)
メモリ 16GB以上
モニター解像度 1280 × 720以上
OS Windows10 (64ビット)推奨
ファイル出力形式 MVX,PLY,OBJ,STL,E57,PTS,XYZ,LAZ,PoTree,MP4

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