山岳トンネル工事における切羽では地山が露出しており、岩石の落下等による労働災害がたびたび発生しています。切羽への立ち入りは岩石の落下等に巻き込まれるリスクを高めるため、原則として禁止されています。現在、切羽への立ち入りが必要な作業を、遠隔操作や機械に置き換える重要性が高まっています。例えば、掘削後に岩石の落下や地山の緩みを抑制するコンクリートの吹付作業では、切羽付近から吹付状況を目視で確認しています。安全性を向上させるためには切羽から離れた位置での確認方法の確立が急務となっています。

切羽の3Dデータを離れた位置から取得

従来はスケッチ作業や目視での確認を切羽付近で行っていましたが、3Dスキャナに置きかえることで安全性を確保した切羽表面形状の確認ができます。3Dスキャナには三脚用のネジ穴がついているため、一脚のような延長用の棒を使用し、より安全な位置からの計測も行えます。また、切羽の3Dデータで凹凸などの形状や岩の色合いも確認できるため、スケッチ作業は不要になります。

ハンドヘルド型3Dスキャナ『F6SMART』は最大4m先のデータを取得できるため、離れた位置から切羽の3Dデータを短時間で取得可能です。3Dデータから切羽の表面形状をすぐに確認できるため、以下の効果が期待できます。

  • 安全性の向上
  • 現場作業の効率化

切羽作業の安全性向上と定量的な評価が可能

山岳トンネル工事における切羽の確認にハンドヘルド型3Dスキャナ『F6SMART』を用いることで、切羽付近での作業量や時間が減るため、安全性の向上につながります。さらに、目視確認で行っていた作業の定量的な評価が可能です。例えば、吹付コンクリート量の算出は作業員の経験から必要なコンクリート量を目算で算出していたため、余分にコンクリートを準備していました。切羽の3Dデータを取得し、表面形状の凹凸を確認することで必要なコンクリート量を算出できます。

ハンドヘルド型3Dスキャナ『F6SMART』

F6SMARTは誰でも簡単に対象物の3Dデータを取得できるハンドヘルド型の3Dスキャナです。事前に特殊なマーカーの設置やキャリブレーションを行う必要が無いため、現場ですぐにスキャンを開始することが可能です。

  • 長いスキャン距離(0.5~4m)
  • 広い視野範囲(4.5m×5m)
  • リアルタイムデータ合成