日本国内における石油精製や化学プラントなどの保守・保全・管理において、 3次元レーザー計測データを活用する動きが広がっています。高度経済成長期に建設されたプラントは、 運転開始から50年以上経過するものも増えており、設計寿命が近くなっているプラントも少なくありません。 これまで現場を支えてきた熟練作業員の引退がはじまり、作業員の確保が年々難しくなるなか、 FTRの計測サービスでプラントをデジタル化することで、安全性を確保しつつ、さらなる生産製の向上に貢献します。

プラント3次元化における課題



プラントにおける3次元計測において、

  • 安全性確保
  • コスト削減

を達成するために保守効率化や生産性向上などの施策を行っていくことが必要になります。
3次元計測を実施する際の課題として…

  • 3次元計測器導入コスト
  • 成果物【点群】の活用形式
  • 計測や処理ノウハウの構築

などが挙げられます。

プラント3D化の流れ

1. 3Dレーザースキャニングで点群化
既存設備を対象に、主に地上型3Dレーザースキャナー(TLS)やハンドヘルド型3Dスキャナを用いたスキャンニングを行うことで、高所・高熱などの危険個所に立ち入る回数を大幅に低減しつつ高精度な形状データを取得できます。また、プラント3次元計測を実施するには他工事と調整を行う必要があり、3Dスキャンのための計測時間に制約が課されることが多々あります。そこで、スキャン目的に最適なスキャン配置・回数選定を行う、といった計測技術と知見で計測を行います。

2. 点群データ合成
TLSの計測は機器中心に360°周囲にレーザーを照射し、反射した点のXYZ座標を取得します。この際、一度のスキャンだけではレンジ外や死角が発生します。それを補うために、複数位置からのスキャンや、ハンドヘルド型スキャナによる補間が必要になります。ここで、各スキャンごとに機器中心を原点とした、ローカル座標系だけを保持しているため、各スキャンの座標合わせ、『合成』を行い、対象物の形状を再現する必要があります。弊社では内製点寸処理ソフト『Galaxy-Eye』を用いて合成処理を実施します。

3. 点群利用&モデリング
各スキャンデータの合成が完了すれば、点群データを用いたPC上での寸法計測や設備の干渉チェックなど、リモートで作業可能かつ工期短縮につながることが大きく増えます。現況そのままの形状が3次元点群で表現されるため、状況の共有化が容易になります。また、現況形状を基にCADモデリングを行うことで、図面化、新規配管設計、材料積算や解析など付加価値をつけることが可能です。

地上型3Dレーザースキャナーによる点群化
ハンドヘルド型3Dスキャナによる点群化
各スキャナのデータの合成
点群データを用いたCAD化やシミュレーション

労働安全性確保しつつ作業効率化に貢献

プラントにおける3次元計測において、

  • 工期短縮
  • コスト削減
  • 安全性確保

などの効果を得ることができます。
FTRの3次元計測サービスでは、お客様の要望に沿ったデータが作成できるよう、多数保持している3次元測定機の中から、それぞれの環境にあった機器を選定し、20年来の3次元計測ノウハウを持って計測サービスをご提供します。また計測データをそのままお渡しするのではなく、機器搬出入シミュレーションや配管更新のルート計画における干渉チェック、3DCADモデリングなどのサービスも行っております。弊社による成果物を持ってお客様自身における3次元計測業務の試金石とすることも可能です。