スタティックミキサーの2流体混相流解析
スタティックミキサーは、回転する羽根等の駆動部がない静止型ミキサーです。駆動部がないシンプルな構造のため、滞留部分がなく羽根の数によって、混合状態をコントロールすることができるメリットがあります。そのようなミキサーですが、高い粘性をもつ流体を混合するとき、混合状態が十分かどうかの判断が難しく、羽根に高い圧力がかかった際には破損する危険性もあります。流体に対して、最適なミキサーの羽根の枚数を算出するためには、流体解析を行うことになります。しかし、従来の流体解析では、流体内部に液面が存在するような、物性の異なる2流体が混ざっていく過程を再現することが非常に困難でした。
課題
スタティックミキサーは多くのメリットがありますが、流体に対して最適なミキサーを作成するにあたり、以下のような課題に直面することがあります。
- 流体が十分に混合されているか不明
- 羽根の応力評価が不可能
- 従来手法では2流体混相流の解析が困難
フロー
1. RYUJIN Preによるシミュレーションモデル作成
RYUJIN Pre上での作業内容
- 羽根のモデル化(サーフェスメッシュモデル)
- 2流体の物性条件
- 流体粒子配置設定
- 計算条件(計算領域や並列計算設定等)
2. RYUJIN Solverでの計算実行
3. RYUJIN Postによる可視化
- 流れの可視化
- 羽根表面の圧力分布表示
- 解析結果からの構造解析
効果
MPS-RYUJINを使った解析で、混合状態の可視化と羽根表面の圧力結果がが得られます。
- 流体毎に粒子色を分けることにより、混合状態を可視化
- 羽根表面の圧力分布から、羽根が破損するか確認可能
- 混合状態の評価により、羽根の必要枚数を評価可能
粒子法流体解析ソフトウェア「MPS-RYUJIN」
MPS-RYUJINは、流体を粒子の動きに置き換える粒子法(MPS法)を導入した流体解析ソフトウェアです。攪拌や洗浄、スロッシング等、液面が大きく変化する複雑な流体解析に優れたソフトウェアです。 粒子法を用いることにより、解析モデルを作成する際のソリッドメッシュの準備が不要になり、短時間で前処理作業から流体解析まで実行することができます。作業効率の高さと使い勝手に優れたソフトウェアです。
- ソリッドメッシュモデル不要
- 解析前処理工数の大幅削減
- 液面の大変形や飛沫を表現
- 攪拌やスロッシング、洗浄解析に最適