ペルトン水車の流体剛体連成解析
一般的に発電用水車は、構造物として巨大なため、試作による性能評価は困難です。そこでシミュレーションによる流体解析を行うことで、短期間で水車の性能を確認することができます。 ただし、ペルトン水車は、他の水車と違い水中に沈んだ状態ではなく、空中に水を噴き出させて水車を回転させるため、飛沫や水面が存在します。このため、従来のメッシュモデルを用いた流体解析では困難でした。
課題
ペルトン水車の流体解析の場合、以下の課題があります。
- 大量の飛沫があるため流れの解析が困難
- 空間も含めたメッシュモデルの作成に時間がかかる
- 羽根車回転条件の設定を含めた解析モデル作成が困難
フロー
1. RYUJIN Preによるシミュレーションモデル作成
RYUJIN Pre上での作業内容
- 羽根車のモデル化(サーフェスメッシュモデル)
- 水の噴射条件設定(噴出口形状、噴出速度等)
- 羽根車の条件(モーメント、回転軸等)
- 水の物性条件
- 計算条件(計算領域や並列計算設定等)
2. RYUJIN Solverでの計算実行
3. RYUJIN Postによる可視化
- 水の流れと水車の回転の可視化
- 羽根車表面の圧力分布表示
- 時間経過による水車のトルク値出力
効果
MPS-RYUJINを使った解析で、水の流れと羽根車表面の圧力分布を可視化します。
- 水の流れから噴出口の方向検討が可能
- 羽根車への圧力分布の可視化
- 水車のトルク値の変化から、羽根車の形状の検討が可能
- 構造解析に必要な荷重条件の作成が可能
粒子法流体解析ソフトウェア「MPS-RYUJIN」
MPS-RYUJINは、流体を粒子の動きに置き換える粒子法(MPS法)を導入した流体解析ソフトウェアです。攪拌や洗浄、スロッシング等、液面が大きく変化する複雑な流体解析に優れたソフトウェアです。 粒子法を用いることにより、解析モデルを作成する際のソリッドメッシュの準備が不要になり、短時間で前処理作業から流体解析まで実行することができます。作業効率の高さと使い勝手に優れたソフトウェアです。
- ソリッドメッシュモデル不要
- 解析前処理工数の大幅削減
- 液面の大変形や飛沫を表現
- 攪拌やスロッシング、洗浄解析に最適