インフラの寿命を延ばすこと、十分な点検・修復を行い安全を確保することは今日の社会において非常に不可欠なテーマです。橋、ダム、建物、トンネル、発電所などの重要インフラは時間経過に伴う劣化は避けられず、インフラの劣化は様々な経済的な影響を与える上、性能が極端に低下してしまった場合、人命を危険にさらす可能性さえあります。こうした問題を防ぐには、インフラ管理者が構造物の状態を長期にわたって正しく点検・修復することが不可欠ですが、現在の目視検査や打音検査は、検査にかかるコストや時間、さらに予兆保全という観点からも課題が多くあります。構造物の状態を常に監視し、異常を検出・識別するセンサーを設置することで、比較的低コストな小規模修復を迅速かつ予防的に行い、大規模で高コストな修復や取り返しのつかない欠陥を予防することができます。こうした構造ヘルスモニタリング(SHM)の取り組みは重要インフラを中心に加速しています。

亀裂発生箇所を、ピンポイントに特定

いつ、どこで、内部の欠陥が致命的な故障を引き起こすかを予測できる “スマート ”な構造物を設計するにあたり、センシング技術に求められる要件は厳しく、適材適所でセンサーを選択する必要があります

  • ロバスト性
  • 埋め込み可能なセンサ
  • 数千点におよぶ計測点
  • 優れたコストパフォーマンス
  • 構造に影響を与えないこと

Luna社の高解像度ファイバセンシングシステム ODiSI(日本名:FBI-Gauge)は、特定の重要構造内部と表面に何千ものひずみ検出ポイントを設定することができます。疲労・強度試験や、モニタリングを行う技術者は異常なひずみや微細な亀裂の発生している箇所をピンポイントで特定することができ、欠陥発生予測も従来より何倍も早く行うことができます。


鉄筋に沿った線的なひずみによるSHM硬化時の発熱・冷却分布も可視化

ファイバに沿って連続的なひずみを取得ファイバセンシングシステムFBI-Gaugeは、100mの範囲までDIC(デジタル画像相関法)と同様に構造物のひずみ状態を点ではなく、線・面で監視することができます。さらに、光ファイバセンサーを鉄筋と一体化することで、内部のひずみ状態をいつでも捉えることができるため、構造ヘルスモニタリング(SHM)や重要インフラの試験で非常に有益なデータを手に入れることができます。
そのほか、ファイバセンシングを用いることで少ないセンサーでコンクリート硬化時の内部の発熱・冷却状況も空間分布として可視化することもでき、硬化状況の詳しい把握やひび割れの発生防止に役立ちます。

  • 鉄筋に沿った高解像度のひずみ分布を計測
  • 亀裂の発生・予兆をピンポイントで特定
  • 硬化時の発熱・冷却モニタリング

分布型ファイバセンシングシステム
「FBI-Gauge」

FBI-Gaugeは光ファイバを測定対象に設置することで、光ファイバに沿った温度とひずみの分布を最小0.65mmピッチで測定できる革新的な高解像度ファイバセンシングシステムです。 電気を使用しない光センサファイバーは柔軟で非常に細く、対象物表面や内部に自由にレイアウトして分布計測を行うことができます。

  • 高解像度、リアルタイム分布測定
  • 容易にホットスポットを特定可能
  • 少ないセンサで広範囲をカバーしセンサ設置工数削減
  • センサは自由にレイアウトでき、EMIの影響もなし