• Galaxy-Eye Modeler

JFEプラントエンジ株式会社 様

プラント本部技術開発センター機械技術部 主任部員 
塚岡賢治氏

従業員の「安全」が第一

 JFEプラントエンジは、世界トップクラスの鉄鋼メーカーであるJFEスチールのグループに属し、機械と電気・制御の総合エンジニアリング企業として絶大な支持を得ている。製鉄所を舞台に、設備の開発・設計・製作・施工・メンテナンスまでのライフサイクル全てを担っている。これまでに約2,500社、26業種(証券コード33業種のうち)と取引を行ってきた。
  同社は、JFEメカニカル時代(2016年4月1日に、JFE電制と統合し、現在のJFEプラントエンジとなる)の2011年12月から『Galaxy-Eye』を導入。現場の安全確保を求め、レーザースキャナーでの計測記録のデータ化に力を入れてきた。2017年11月から『F6 SMART』も取り入れ、計測データの質向上にも努めている。

導入背景

現場の安全確保と技術品質を追求

 「我々は従業員の現場の安全確保のためには何が必要か、常に考えている」と、プラント本部技術開発センター機械技術部の主任部員を務める塚岡賢治氏は語る。製鉄所は高所での作業や、高温・ガスと隣り合わせの高炉をはじめとした重機を使用するため危険が伴い、短時間での作業が求められる。塚岡氏は「人力で現地調査を行っていた時期は、測り忘れや施工時の不整合が見つかり、何度も計測現場に足を運ぶ必要があった」と振り返る。

               『Galaxy-Eye』を導入した建設現場

 昨今、建設業界では3Dスキャナーを導入する企業が増えており、現場のデジタル化が重要となりつつある。同社は十数年程前からレーザースキャナーなどの据え置き型3D計測器を取り入れ、足場なしでの計測や、工期短縮・手戻り防止を実現させた。
 塚岡氏は「現場の人の命を守るツールとして、3D計測データを更に有効活用するためには何が必要か。このことを第一に考えていた。そのような中で3Dデータ処理ソフトウェア『Galaxy-Eye』に巡り合い、導入を決めた。安全確保とともに、技術品質も追及していきたいと考えていた」と話す。

選定理由

『Galaxy-Eye』『F6 SMART』併用で、
完成度の高い現場データ取得

据え置き・ポータブル型スキャナー併用で完成度の高い点群データを取得(白色の点群が据え置き型、緑色の点群がポータブル型『F6 SMART』の計測データ)

 塚岡氏は、『Galaxy-Eye』の選定理由として以下のポイントを挙げた。
・PC上で現場状況を確認するため、現場に足を運ばずに済み、安全が確保できる
・干渉チェック機能で、設備搬入のシミュレーションを実施できる
・点群データをもとに配管などのCADデータを簡便にできる
・国内での自社開発ならではの、充実したサポート体制
・据え置き型、ポータブル型3Dスキャナー両方に対応
(『F6 SMART』+『Galaxy-Eye』セットを複数台導入)

   点群データから配管のCAD化、設備CADのインポートを実施

 続けて塚岡氏は、「設備CADなどのインポートや、計測データを基に配管CADを作成する機能は、選定の大きなポイントとなった」と語る。 
 『Galaxy-Eye』で計測データ(点群データ)を扱うにあたり、据え置き型レーザースキャナーによる計測データの取りこぼしも浮き彫りになった。そこで同社は、ポータブル型3Dスキャナー『F6 SMART』導入に踏み出した。「据え置き型では困難な計測箇所を『F6 SMART』で補う形をとった。『Galaxy-Eye』は据え置き型・ポータブル型両方の計測データに対応するため、完成度の高い現場データを作成することが可能になった」(塚岡氏)とのこと。

導入後の変化

干渉チェック機能がコスト削減の鍵


 『Galaxy-Eye』導入後、「現場のデータ化により、(現場)状況の共有が容易となり、明らかに作業効率が上がった」と塚岡氏は話す。数ある機能の中、同社はCADなどの形状データと点群データの干渉点を確認することができる、干渉チェック機能を最も多く活用している。

干渉チェック機能で、以下の効果をもたらした。
・工事着手前の段階で、干渉物をよけながら設備を搬入するルートを決めることができ、最小限の改造で済んだ。
・既存の配管との干渉を確認しながら、新しい配管ルートを検討できた。
・何度も現場に出向いて確認していた作業をPC上でできるようになり、コスト削減につながった。


 『F6 SMART』導入後は、「施工品質の低下や施工時の不整合がなくなり、信頼度の高い工事計画の策定が可能となった」(塚岡氏)ようだ。
 配管の新設工事時には、『Galaxy-Eye』の3DCAD化・アイソメ図作成機能が一役買っている。結果として、以下の効果をもたらした。

【例】 配管新設時 (対象:100Aのヘッダーと40Aの枝間の組み合わせ)

【作業】配管設計者との打ち合わせ時に決めた設計構想を『Galaxy-Eye』上でCAD化した後、アイソメ図を作成
    →配管製作会社(外注)・現地施工者へ、アイソメ図を基に配管製作・工事を依頼
【効果】・干渉チェック機能により周りの点群との干渉を考慮できるため、現地調査や手戻りにかかる時間を省略できた。
    ・従来新設工程の約50%削減(作業時間:175時間→93時間 ※内訳は下図参照)につながった。

今後の展望

コミュニケーションの活性化による安全確保と効率化

 同社は引き続き従業員の「安全」を第一に、業務の効率化も進めていく意向だ。塚岡氏は「点群処理ソフトを導入する企業は増えているが、当社のように点群データを使って一つの工事を完結できる企業はまだ一握りだと考えている。データ計測から編集まで全て社内で行い、横の連携がとれることは当社の強み。引き続き『Galaxy-Eye』『F6 SMART』を有効活用し、作業者間のコミュニケーションに役立てながら、安全確保と効率化によって、競争力をさらに高めていく」と力強く語った。

JFEプラントエンジ株式会社 会社概要

代表者:齋數 正晴(代表取締役社長)
所在地:東京都台東区蔵前2丁目17番4号 JFE蔵前ビル8階
設立:1937年4月9日
資本金:17億円
従業員数:3,799名(単体)(2019年3月末時点)