FTR CAEとITの提案型コンサルティング企業 エンベデッドシステム

システム・ソリューション開発部門 制御システム開発

制御技術の進歩
 航空宇宙機器から家電に至るまで、現代のほとんどの工業製品では、何らかの形で電子制御がおこなわれていると言っても過言ではありません。しかもその制御の内容を見ると、単なるON/OFFのスイッチングのように簡単なものから、ヒトの行動をシミュレートするような複雑なものまで、様々なレベルにわたっています。
 これら制御機能の向上を公開・展示するものとして、国内メーカー各社は、人型2足歩行,音楽演奏,介護補助などを行う人や動物を模した"ロボット"を次々に発表しております。最近の報道では、トランペットやバイオリンを演奏するロボットや、ワインソムリエロボットなどが発表され、話題となっておりますが、その基幹制御システムは既に多くの工業製品に組み込まれ、実用化と適用分野の拡大が進んでおります。
自動車搭載の制御システム
 このような先進的な電子制御システムを多数組み込んでいる機器の代表例が、航空機や自動車などの輸送システムです。安全上の見地から完全自動運転こそ行われていませんが、既に可能な技術水準にあり、実際に都市交通システムでは無乗員運転が行われています。これらの制御技術は、市販製品では安全性能・快適性能・省エネルギー性能など多様な性能の目標達成のために用いられ、それぞれ過去の製品に対して飛躍的な性能向上を達成しています。以下は、自動車を例に取った具体例です。
 最新の自動車の制御システムは、大きく
  (1)電気供給系のインバータ/コンバータ、(2)エンジン制御モジュール、(3)カーナビ/ディスプレイ、
  (4)インスツルメント・パネル、(5)対衝突安全モジュール、(6)操縦安定性制御モジュール、及び、
  (7)その他の革新的機能制御モジュール
の7種類の制御モジュールから構成されています。
 たとえば(2)のエンジン制御モジュールでは、
  ◆アイドル時にエアコン・ライト等乗員が操作する電気器具のON/OFFを検知し、
エンジン回転数を25〜50rpm刻みで制御
  ◆酸素の量(O2センサー)や温度等のパラメータにより、アクセルを同じ量踏んでもガソリンの噴出量,
点火タイミングを調整して燃焼状態を制御
  ◆ハイブリッド車で、ガソリンエンジンを使う場合とモーターを使う場合を調整し、最適な燃費を実現
  ◆クランクシャフト,カムシャフトの位置,スロットルの位置などと燃料噴射や点火のタイミングの関係を
走行状況により変更・調整
などを行い、(6)の操縦安定性制御モジュールでは、
  ◆ヨーレートセンサー(車体の上下軸方向の揺れを検知)等により前輪・後輪の横滑りを制御し、その結果を操舵トルクアシスト機能により操縦者に伝達
  ◆坂道発進や登坂時にドライバー負担が少なくなるように制御
  ◆油圧ブレーキと回生ブレーキのバランスや、4輪独立の油圧ブレーキバランス等の制御
  ◆走行条件によりハンドル角度,走行速度,ブレーキの状態等を制御
などが行われます。
 下図は、最近の自動車の中で行われている電子制御の適用部位と制御内容を表したものです。
 最新の自動車では、安全性・快適性・省エネルギー性など、多くの目的に応じた制御機器が搭載され、その総数はコンピュータ数約70基、センサー数約100個に及びます。
自動車の中で行われている電子制御の適用部位と制御内容
制御システムのプログラミングとシステムの統合
 自動車などの輸送機器に組み込まれるこれら制御システムは、エンベデッド(Embeded;"埋め込み")システムと呼ばれていますが、その基本アーキテクチャは他の機器の制御システムと同様、図のようなものとなっています。
エンベデッドシステム
 当社は、これら制御システムそれぞれの設計・構築と、製品全体でのシステム統合設計,システムの最適化,あるいは画像処理システムの折込みなどを受注致します。システム統合や入出力の集中化,優先処理の設定などの制御設計に、当社の「最適化技術」やシステム開発技術を折込む事により、お客様の製品に更なる性能向上や原価低減,環境対応技術をご提供致します。

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